嫌な予感!

今年は、中小企業の存立にかかわる年になりそうです。

2極分化が一層進むのでは?というのも中小企業の経営環境が一段と厳しさを増し、複雑化しているからです。主な要因は次のように考えられます。

 

1.「資金繰り」は大丈夫か?

新型コロナウィルスの影響で、新事業の再構築がうまくいかず、売上回復が遅れている中で、コロナ融資の返済が本格化してくる。何とか「前向きの資金」にと思っていても、つい返済資金の様な「後ろ向き資金」にならざるを得ないことがあります。金融機関は貸倒れを懸念して追加融資に慎重になっていますし、自身の経営改善のための業務効率化を推進しております。

中小企業は、取引金融機関の変化にも気を付け、資金調達対策が必要です。

 

2.金融機関への「日頃の情報提供」が大切です。

金融機関は、最先端的なデジタル技術を駆使して経営の合理化を推進しており、そのしわ寄せを人的資源に向ける傾向があります。それ故、営業マンの労度が増える事にもなりかねないので、こちら側からの積極的な経営情報の提供が望ましいです。例えば、決算説明、赤字対策、資金繰り表(月別・年間)説明、月次決算(月次試算表)の概況説明など。

 

3.法規制への対応

中小企業も順守すべき法律が施行されています。例えば、本年1月1日より「電子帳簿保存法」、本年4月1日より「パワハラ法」、来年予定の「インボイス法」などです。罰則を伴うものがありますのでご留意ください。

 

4.原材料値上がり、各種消費財の高騰、円安。

 

5.後継者問題・従業員確保(外国人雇用も含む)。

 

6.新製品・新技術・ノウハウの開拓、新市場・顧客の開拓(海外市場も含む)。

 

7.設備投資(特に、寸法精度への対応)

 

8.経営資源の充実化(単独事業では対応できない事業が多くなる、例えば、資本的なつながりのあるグループ化・持ち株会社構想・M&Aなど)。

 

9.中小企業経営者の意識改革(やる気を持つ、くじけない、従業員との一体感、決算書が読める、勉強家である、など)

 

10.災害対策を念頭に行動する。

東京都の直下型地震等で、従業員とその家族、取引先等を安全・安心させる手立てを日頃から考え、手を打つ。

 

このように考えると、まさに中小企業の経営は多事多難ではありますが、成長分野への進出も十分可能です。本年は、中小企業の生き残りをかけた重要な年になりそうです。一人で悩まず、将来を展望する役目である中小企業診断士に相談し、共に汗をかきながら努力することが大切かと思います。

何なりと、診断士へご相談ください。

 

(小林 巽)