中小企業経営者の皆さん、金融機関から「試算表はありませんか?」と要求されたことがあると思います。特に、借入申し込みの際には必ず求められるでしょう。
金融機関には年間ベースの決算書を提出していると思いますが、内容は期末月から2ケ月も経過しているので、金融機関が欲している最近の業績や改善策を提供することは難しい。試算表がなければ、企業を知る資料としては決算書に頼らざるを得ないのが実態です。
一方、企業側も「勘と度胸」だけでは経営改善を推進することは難しく、特にコロナ時代では会計数値がなければ、前月の実績を分析し当月にて改善策を一刻も早く実施することが必要にもかかわらず、それが出来ません。会計数値は、月次決算書といわれる「月次試算表」から生み出され、経営の羅針盤とも言えます。
月次決算書は月次試算表の進化したものと言えますが、IT化の進展・会計ソフトの充実化により自社でも作成が可能となりました。とは言え、人材不足の為できにくい場合には、プロの支援を受け、企業を一刻も早く元気にしてコロナ時代を乗り切ることが肝要です。
(小林 巽)